二回目の3月12日

3/12はIさんの命日です。
Iさんは前の前の会社の後輩で、24歳の若さで他界しました。
脳腫瘍でした。一度発症してから治っていたはずなのですが、社会人になってから再発。手遅れでした・・・マメに検査に行っていたはずなのに。


Iさんは大学を卒業後、営業事務として入社してきました。
背が高く美人で明るく、嫌な仕事もすすんで引き受ける誰からも愛される子でした。入社して一年後、会社で倒れ救急車で運ばれました。
そして闘病生が始まり、その一年後他界。あっという間でした。


Iさんの病気はずっとひた隠しにされていたので、私も含め他の事務員さんは「なんで会社に来ないの?一言謝るとかないの??」と社会人としてはどーなの?みたいに思っていました。元気だからという上司からの言葉を信用していたので。
事実Iさんは退院して仕事を休職していましたが、会社に車で遊びに来たりしていました。
後から知りましたが、その時はもう余命を宣告されていたそうです。
そうとは知らず、私もIさんのことをひどく言ってしまいました。Iさんの仕事をみんなで分担していたので、急に仕事が増えてイライラしていました。
いつまでも復帰しないIさんは何なんだ!?と・・・


Iさんが亡くなったのを知ったのは結婚をして会社を辞めてすぐです。
実家にIさんの両親から葉書をいただきました。私が毎年年賀状を送っていたからだそうです。
知ってすぐにIさんの家に行き、Iさんのお父さんからいろいろと話を聞きました。
全国のあらゆる病院をまわってもIさんの手術ができる医者はいなかったそうです。テレビで「神の手ドクター」が紹介された時もすぐに東京へ行ったそうです。検査をして、結果を見て、そして断られたそうです。
「神の手なんか持っている人はいない」と悲痛な声で話された時のことは今でも覚えています。
神の手のお医者さんによって助かった命はたくさんあったかもしれないけど、その陰で助からなかった命もあるのだということを知りました。


Iさんのことをひどく言ってしまった負い目もあり、Iさんのお参りはマメに行っています。私が妊娠した時、Iさんのお母さんは「好きな名前を付けてね!!」と何度も言いました。
Iさんが産まれた時、Iさんのお母さんは有名な命名の先生のところへ行き、大金を払ってすばらしい名前を付けてもらったそうです。長生きのできるすばらしい名前・・・でもIさんは24歳までしか生きられませんでした。
Iさんのお母さんは「こんなことなら、好きな名前を付けるんだった」と思ったそうです。命名診断だの字画だのそんなことは考えずに好きな名前を付けてあげてね、と何度も私に言いました。


誰からも愛され、生きたくても生きられなかったIさん、来年はまあちゃんを連れてお参りに行こうと思っています。