復讐は新たな復讐しか生まないよね

告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)

告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)

一気に読みました。読みやすかったー♪
内容は思っていたとおりでしたが・・・


担任の先生の悲痛な告白から物語は始まります。
自分の娘がこのクラスの生徒に殺されたと・・・
淡々と語る先生、その話を真剣に聞くクラスの子達。
話がすすむにつれ、その生徒は誰なのか、クラスのみんなは気付きます。
そして先生の考えた恐ろしい復讐がみんなに告げられ・・・
という感じでしょうか?


松たか子さん主演で映画化されましたよね。
次は映画を見ようと思います。


しかし・・・先生、生徒、加害者Bの母、加害者B、加害者Aの視点と、視点をころころ変えて書いています。
それが読みやすく、分かりやすかったですね。
特にBの母親とBの視点は「なるほどー」という感じで、物語にぐいぐい入りこめました。
どこにでもありそうな家族が音を立てて崩れていくという雰囲気がよく感じ取れました。
モンスターペアレンツの母親を持つ息子の苦悩なんか面白かったかも。


しかし!!
全体的には「まずありえないよね、この話は」という感想です。
先生の復讐がまずありえない。
加害者Aという人物がありえない。本当に中学生か??みたいな。


せっかく加害者Bやその母親、クラスメートなんて「そうそう」と感情移入できたのに、先生と加害者Aのくだりは「もろにフィクションだ」と思ってしまいました。
ちょっと突拍子もない設定では??


何度も読み返して、なんとなく作者の言いたいことや先生の真の復讐なんかもちょっとは理解できたかなー?と思います。
テーマが重いだけに、最後は理解しづらいです。
加害者Bはここまで落ちなくてもよかったのに。
クラスメートも可哀想だなー。
などなど、腑に落ちないこと満載ですね。


全く関係のない人を巻き添えにしない復讐なんてあるのかな?
そう思わせる作品だと思いました。