伏線の連破

生首に聞いてみろ (角川文庫 の 6-2)

生首に聞いてみろ (角川文庫 の 6-2)

長かった・・・
というか私の読書スタイルは通勤(片道10分)電車の中か寝る前の布団の中。
なので、長編を読むと時間がかかるかかる・・・
やっと読み終えたって感じですよ。


ある彫刻家の死から事件は始まります。
法月さんシリーズって有名ですが、読んだのは初めて。
これも古本屋で見つけたんですけど。
探偵さん自身がアクティブに動き回るので、読んでいてとても面白いですねー。

探偵さんって本人が動き回るタイプと、誰かにいろいろと調べてもらって総合的に判断するタイプがあります。(思い込み)
どっちも好きですが、読んでいて一緒に楽しめるのが前者だと思います。
で、いろいろ他の人に調べてもらう探偵パターンは後から後から全容が分かるので、最後の驚きがまたまた・・・この刺激もたまらないですけど。

で、この作品は伏線がすごいんですよね。
これができるのは、探偵さんが動き回って読者に行動を逐一見せることが必要ですよ。

それは分かり易さと同時に、読者に手の内を見せてしまうので、読者が「犯人みーっけ」ってことにもなりかねません。
私も読んでいて薄々「こいつ?で、あいつがこうして・・・」みたいに予測はしていましたが、まさかここまでとは!!
あの行動、描写、一つ一つがこんな意味を持っていたんだーって納得とその緻密さに驚きですよ。
あの時気付いていればこんなことに・・・という探偵さんの気持ちは、読んでいる私もそれに気付かなかったので、一緒に反省してしまいました。

最後に「何度も書き直して」という本人のインタビューみたいなのが載っていましたが、本当に大変だったんだなと思いました。
ここまでの作品にするなんて、並大抵の月日じゃできないですよ。

何一つ無駄書きなどない、とても面白い作品です。
ぜひぜひ。


あ、そろそろ小説はやめて資格勉強にまい進します。
でも、今まで読んだ本の紹介はしたいと思っています。