小学生でも立派な人間

死にぞこないの青 (幻冬舎文庫)

死にぞこないの青 (幻冬舎文庫)

乙一さんのうわさはかねがねでしたが、本を読んだのは初めてです。
古本屋で購入、本当は「GOTH」が欲しかったんだけど、なかったので渋々この本を買いました。


すばらしい!!
ブラボーですよ、ブラボー!!
今更ながらこのような本に出会えるなんて、ビックリです。
早く乙一さんの本に出会いたかった・・・
なんで今まで読んだことなかったんだろう・・・


マサルという小学生の男の子、とても引っ込み思案で内向的、でもごくごく普通の男の子。新しいクラスになり、大学生あがりの男性担任になったことでマサルの苦悩は始まります。
ささいなことから先生に目をつけられてしまい、いじめの標的にされてしまう。
先生が事あるごとにマサルを注意するものだから、クラスメートも徐々にマサルに対して距離を置くようになる。
そのうち、クラスで一番格下の身分を位置づけられてしまい、マサルはクラスの全ての不満を受ける存在になってしまう。


恐ろしいですね、担任が一人生贄に選び、みんなの不満をそこに集中させることで、クラスの調和を保とうとするなんて。
ひどい!!ひどすぎる!!
でも、でも、きっとどこかに潜んでいる話ですよね。


子供は残酷ですが、大人はそれを利用するずるい生き物です。
マサルと人見知りな自分がかぶってしまい、読んでいて心が苦しくなってきました。
文章はとても読みやすく夢中になってしまって、一時間くらいで読んでしまいました。
最後の方はびっくりの展開ですが、とても心が晴れ晴れできる作品でした。


乙一さんの本ってアマゾンで見ても評価が高いんですよね。
だから古本屋へ行ったらどんどん買おうと思います!
(売っていればですが・・・)